高杉東行狂生書の碑

招魂社新築落成祭典の日に感慨を詠む

慶応元年八月九日。招魂社新築落成祭典の日に感慨を詠んだ歌の自筆が、刻されたものです。動揺から転がった筆の滲みまで、再現されています。当日の様子を白石正一郎氏日記につぎのように記されています。「九日 我藩の諸有志の亡霊廟堂を始め残らず又諸藩の義烈亡霊一同ニ上壇の間ニおいて神祭致し候。青山祝詞、大賀・山下手伝くれ候。有馬菅道朝より来り献供もの調えくれ候。(中略)高杉昼より神祭ニ付招請七ツ時より神供をおろし銘々頂戴す。予実名興の字さし合ニ付今日おみくじを取り資風と改名す(下略)」
高杉は感慨を次のように詠んだ。

招魂場祭事、奇兵隊諸士とともにこれに謁す。
この日軍装行軍、出陣式の如し、
弔むらわる人に入るべき身なりしに
弔むらう人となるそはつかし

猛烈奇兵何所志
要将一死報邦家
尤欣名遂功成後
共作弔魂場上花

故奇兵隊士東行狂生

櫻山神社創建百四十年記念
平成17年8月3日 建立